2011年9月13日火曜日

AKB48 TeamB 3rd「パジャマドライブ」-てもでもの涙

この曲はかなりマイナーだと思いますが、比較的初期からチームBを推していた方からしたら、かなり記憶に残っている曲でしょう。

もしかしたらフレンチ・キスのバージョンを聞いたことがある人は多いかもしれません。2010年9月8日発売のフレンチ・キスデビューシングル「ずっと 前から」に収録されています。TeamB 3rdの方は残念ながら公演DVDとしてしか発売されていません。

SKE48 TeamEの1stStageでもこの「パジャマドライブ」公演がされていますので、ぜひ一度は見に行きたいと思っています。

2010年のAXでは佐伯さん(以下みかちぃ)の代わりにあきちゃが踊っていますが、2011年にはファンの期待に答えてみかちぃが復活したことで、チームB推しにはたまらない公演となったのではないでしょうか。


佐伯美香-エケベディア
http://www23.atpages.jp/akb49/?%E4%BD%90%E4%BC%AF%E7%BE%8E%E9%A6%99


今回とりあげる「てもでもの涙」も、歌謡曲と言ったらこういう曲をイメージする人も多いかもしれませんね。KinKi Kidsの「硝子の少年」も同じくマイナーの曲ですが、あまり暗いとは感じませんよね。実際にかなりのヒットでしたし、暗いから売れないということも無いですし、短調=暗いというのは一般的なイメージにはぴったりですが、実際あてはまらないのではないかと思います。

試しにDm/A→Bmを四回づつ弾いてみると、Bmが妙に明るい雰囲気に聞こえますよね。コードの進行、和声、メロディー、リズムによって暗くも明るくもなるというのが正解ではないでしょうか。

ただ日本ではマイナーの歌謡曲は結構人気なんですよね。演歌もそういう曲が沢山ありますし、マイナー好きの国家なのかもしれません。


【D#マイナー】
|D#m|Fm-5|F# |G#m|A#m|B   |C# |
|Im   |IIm-5|IIIb|IVm |Vm  |VIb|VIIb|


【前奏】
|D#m/A#|B   |C#  |F#|
|Im        |VIb |VIIb|IIIb|

|D#m/A#|B   |G#m |A# |D#m|
|Im        |VIb |IVm  |V   |Im   |



【Aメロ】
♪「降り始めた~」
|D#m|G#m|C#  |F# |
|Im   |VIm |VIb |IIb |

♪「下ろすように~」
|D#m|G#m|B   C#   |D#m|
|Im   |IVm |VIb VIIb |Im   |


|B   C#   |D#m|
の部分はお分かりの通りF#メジャーのII→Vと全く同じ形です。歌詞で言いますと♪「私の初恋~」に当たる部分ですが、歌詞にも「雨」という言葉が使われているように、ジメッとしたマイナーの進行から、雲の合間から陽が射すように、メジャーコードであるB、C#で安定感のある形をつくることによって場面の転換を図るわけです。


ただ、この曲はマイナーキーを使っていることからも分かるように、悲しみを表現したいわけですからあくまでもシメはD#mで終わらせることで統一感がキッチリ出てきます。


【Bメロ】
♪「待ち伏せした~」
|G#m|D#m|G#m|D#m|F/D#|B   |F/D#|B  |
|IVm |Im   |IVm |Im   |II/I   |VIb |II/I  |VIb|


ここも重要なポイントですよね。|F/D#|B   |F/D#|B  |
メロディーがD#マイナースケール外の(固定Cの)Aに向かうことで、グッと不安定な感じを増大させています。それに合わせてコードもFを使って完全にコードだけ見るとFメジャーの進行と見ることができる気がします。最後にF#,G#A#とD#マイナーのスケールをなぞらなければどこかに行ってしまいそうですね。しかし、この危険な橋をわたるような展開こそアクセントになっていると思います。


【サビ】
♪「こんなに会いたくても~」
|D#m/A#|B   |C#  |F#  A#/F|
|Im/V     |VIb|VIIb |IIIb Vm/ |


ここの最後の部分はどのように専門的に説明できるのかわかりませんが、A#→D#mの進行は短調でよく見ますよね。例えば「だんご3兄弟」の♪「だんご3兄弟(ちゃーちゃっ)」の「ちゃーちゃっ」の部分とかこの形ですよね。短調にお詳しい方どのように見ているのかぜひ教えて下さい。

と書きましたが何らかの分析をするならA#→D#mは4度上に向かう「強進行」ですよね。短調だろうが、長調だろうが関係なく、音の導きとして心地の良い進行であることには変わりません。それ以上になにか名前が付いているものではないかもしれませんね。


♪「それでもこうして~」
|D#m|B    |G#m |A#m |D#m|
|Im   |VIb |IVm   |Vm  |Im   |

♪「こんなに会いたくても~」
|D#m/A#|B   |C#  |F# A#/F  |
|Im/V     |VIb|VIIb |IIIb Vm/II |

♪「傘さしてるのに~」
|D#m |D#mM7/D|D#m7/C#|D#m6/C|
|Im    |ImM7/Ib  |Im7/VIIb  |Dm6/VI |


出ましたね。ベースが半音ずつ下がるクリシェです。こういうところで、ちらっと見せると胸が苦しくなる雰囲気が出て良いですよね。サビで使うと「AKB48 22ndシングル(Type-B収録)-アイスの口づけ」みたいになります。


♪「どうにもできない~」
|B   |D#m/A#|B   |C#  |G#m A#m|D#m|
|VIb |Im/V    |VIb |VIIb|VIm   Vm |Im   |


【2番ギターソロ前】
♪「どうにもできない~」
|B   |D#m/A#|B   |C#  |G#m A#m|B      |
|VIb |Im/V    |VIb |VIIb|VIm   Vm |VIb   |


2011/09/13追記
「てもでもの涙」って「でもでもの涙」に聞こえますが、「てもでも」ですから注意してくださいね。それは置いておくとして、♪「こんなに会いたくても~」♪「こんなに好きでも~」から来てるって今知りました。なるほど。
みかちぃの卒業公演見ると感動する…
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1450194639



楽曲名:てもでもの涙
アーティスト:AKB48
レーベル:AKS、エイベックス・エンタテインメント
作詞:秋元康 作曲:寺畑早知子 編曲:田口智則・稲留春雄
Taguchi Tomonori Official Web Site
http://www.an-life.com/bbc/
--NO TITLE--(INATOME HARUO)
http://blog.goo.ne.jp/qwerasdf1519
http://twitter.com/#!/haruo_i

2011年8月30日火曜日

AKB48 アルバム『ここにいたこと』-人魚のバカンス


「オシャンティーなコードだなー」と思い耳の訓練のためにもコードを採ってみました。

1番だけ取るのにも1時間くらいかかりました。耳コピは意外と体力を使うのですが今までで1番疲れた気がします。しかも1980円の安いヘッドホンで作業しているのでよく聞き取れなくてまどろっこしい。

しかし、昨日たまたま聴力測定があって「異常なし」だったのに加えて、若者にしか聞こえない何ヘルツだかの高い周波数の音もばっちり聞こえたので、まだまだ若いということでお願いします。
そろそろ聞こえなくなる頃だと思いますが…


[Eメジャー]
|E |F#m |G#m |A  |B  |C#m |D#m7-5 |
|I  |II     |III     |IV |V  |VI     |VIIm7-5 |



【前奏】
|E |EM7 |E6 |EM7|
|I  |IM7  |I6  |IM7 |

トップノート(一番上の目立つ音)が一つづつ下がってくるクリシェからオシャンティーに始まりました。
Sixpence None The Richer の『Kiss Me』という曲もこんな感じで始まりますよね。
ちなみに『Kiss Me』のほうはこんな進行になっています。

Sixpence None The Richer -『Kiss Me』
【前奏、Aメロ】
|Eb |EbM7 |Eb7 |Eb |
|I    |IM7   |I7    |I   |


3番目のコードがすこし違いますね。AKBの「人魚のバカンス」ではスケール通りにコードが進行していますが、Sixpence None The Richer(以下SNTR)の「Kiss Me」では、セブンスを入れることによってさらに、悲しい感じ、侘しい感じを強調しているように感じます。
どうして、このような違いになったのか私なりに考えてみたいと思います。

まず歌詞の内容に着目してみます。SNTRのKiss Meの歌詞はこんな感じです。
「穂が波打っている緑の麦畑の中でキスして」
「柔らかい月光の下であなたのやさしい手を添えて私を導いてほしいからキスして」
まあこんな雰囲気です。

それではAKBの人魚のバカンスの歌詞はというと。
「南の島でゆっくりとした時間を過ごしたい」
「誰からも邪魔されないこの島で傷を癒して行くよ」
とまあこんな感じでしょう。

Kiss Meのように甘い恋人たちの愛のささやきというよりは、ボサノバ風のコードを多用した明るい雰囲気を醸し出しているということを考えると、セブンスでしっとりさせたいというよりは、オシャンティーな雰囲気を残しつつもしっとりさせないI6を使ったほうが明るい雰囲気を崩さずに表現できると考えたのではないでしょうか。

加えてセブンスコードはインパクトがあるのでサビやキメの場面で出すとよりパンチのある効果を出すことが出来ます。前奏でしつこくセブンスを意識させるよりも、そういった場面で「ズバッと」使うほうが効果的だと考えることも出来ます。


【Aメロ】
「椰子の木陰~」
|F#m7 |B7 |EM7 |% |
|IIm7   |V7 | IM7 |% |
          (B9,F#m7/B )


「波のギターが~」
|F#m7 | B7 |EM7 |% |
|IIm7   | V7 | IM7 |% |
          (B9,F#m7/B)


2番目のコードはB7がツーファイブを構成するので1番しっくりくると思います。
おそらくC#は含まれてないような気がしますがもしB9などで演奏した場合もその後にEでトニックに戻るために、C#→Bの進行がしっくりくるとは思います。個人的にはB7かなと思いましたが、お好きな方をお試しあれ。
最後のメジャーセブンスがまたまたオシャンティー!


【Bメロ】*前半2小節は3拍子。次の変拍子に注意
「青いライム絞った~」  「水面が~」
|D#dim7  |D7  |C#m7 E/B  E   |G#m7 |B7|
|VII#dim7|VIIb |VIm7  I/V   I    |IIIm7  |V7|


これは…すごいと思いません?この曲の中で1番不安定な進行に聞こえる部分だと思います。
そもそもこの耳コピ自体合っているか分からないレベルなのですが、私に理解できるのはベースが半音づつ下がっていっているということですかね。このおかげでというかこれがあるからこそ、成り立っているような気がします。
最後を単純にツーファイブで整えないあたりも思い切りの良いの良い印象を持ちました。
皆さんの意見をぜひお聞かせ下さい。


【サビ】
「人魚のバカンスみたいに~」
|E |EM7/D# |E6/C# |E7/D       (E7)|
|I  |IM7/VII  |I6/VI   |I7/D        (I7) |
                           (Gdim7/D)

前奏と同じコード進行ですが、ベースがすーっと下がってきて後半も、ベース音がDからEに進行していることからAメジャーでのIV→Vが進行しているような印象を与えます。

「ストロベリー一つつまんで~」
|A  |E/G# Gdim7    |F#m7 |B7 |
|IV | I/III# IIIb dim7 |IIm7   |V7 |

またまた、ベースがすーっと下がってきますね。この間につなげ役としてのパッシングディミニッシュ的な使い方でしょうかディミニッシュコードを入れてツーファイブできっちり仕上げています。Bメロの特徴的な進行からサビでしっかりハートをつかんでくるあたりが考えられてますね。


「人魚のバカンスみたいに~」
|E |EM7/D# |E6/C# |E7/D       (E7)|
|I  |IM7/VII  |I6/VI   |I7/D        (I7) |
                           (Gdim7/D)


「誰からも忘れられた~」
|A  |E/G# Gdim7     |A6  B7 |F  E|
|IV | I/III# IIIb dim7  |IV6 V7 |IIb I |

IIbがいい味出してますね。保留を表現するならIsus4という素敵なコードが有るのですがあえて、IIbを使うことでかなり新鮮な印象が生まれます。狭義での転調と言っても良いくらい、自然のような自然じゃないような音に聞こえます。普通は思いつかないですよね。耳コピが間違ってるかも…



楽曲名:AKB48-ここにいたこと(通常盤)-人魚のバカンス
アーティスト:AKB48
作詞:秋元康、作曲・編曲:上田起士
レーベル:キングレコード
TATSUJI UEDA Official Web Site
http://www.tatsujiueda.com/index.html

2011年8月18日木曜日

AKB48 チームA 5th Stage&シアターガールズ-ひこうき雲


Bloggerの大規模エラー中でなかなか投稿できませんでした。
Draft in Bloggerというところhttp://draft.blogger.com/homeからやってみました。
うまく投稿できるか分かりませんが、たぶん大丈夫でしょう。

今回は「シアターガールズ-ひこうき雲」の楽曲分析をしてみました。
もともとはチームA 5th Stage「恋愛禁止条例」の公演曲として使われていた楽曲のシングルカットと言ってもいいでしょう。
19枚目のシングル「RIVER」に収録されています。

さわやかな失恋?ソングですよね。動画見るとあっちゃんも優子もまいまいも若いですねぇ。
Bメロの4度進行が心地良かったので今回はこの曲にしました。

是非、「この曲は隠れた名曲だと思う」という曲があれば教えて下さいね。


【前奏】
|F |F/A  |Dm |Gm C|
|I  |I/III   |VIm|IIm V |

|F % |Dm Gm |Gm Bb/F |Gm Am  Bb C Csus4 C|
|I %  |VImIIm  |IImIV/I    |IIm IIIm  IV  V Vsus4  V|

【Aメロ】
♪「秋から冬への途中~」
|F Em7-5  A  |Dm % |Bb C|
|I VIIm7-5 III  |VIm% |IV  V|

♪「未来への曲がり角と~」
|F Em7-5   A  |Dm % |Bb C|
|I  VIIm7-5 III  |VIm% |IV  V|

VIIm7-5はハーフディミニッシュと呼ばれるコードでディミニッシュコードと似ています。
3和音では同じですが、VIIm7-5とdim7は短七度と減七度という違いがあり響きが全く異なってきます。
ベートーヴェンの作曲した「エリーゼのために」でも、後半の盛り上がりをみせる部分で出てきます。
音楽に緊張感を与えるコードですね。ちらっと見せるとドラマティックな雰囲気を演出します。


【Bメロ】
♪「さよならつぶやく~」
|Bb C |Am7  Dm |Gm C |Am  Dm |
|IV V  |IIIm7 VIm |IIm  V|IIImVIm |

♪「日差しが届かず~」
|Bb C |Am7  Dm |Gm| C |% |
|IV V  |IIIm7 VIm |IIm| V  |% |


安定感抜群の四度進行をBメロで使っていますAm7→Dm、Gm→C、Am→Dm
最初のIIIm7→VImは7度の音が1音下がることで高ぶった感情を抑えるような働きが生まれています。
マイナーの進行の中に時々メジャーのコードを使うことによって、複雑な気持ちっぽくなりますね。
ここでは♪「さよならつぶやく~」と歌詞がついていますが、いかにもBメロの心揺れ動く感じが表現されている気がします。


【サビ】
♪「空にひこうき雲~」
|F %|Dm Cm F |Gm (Bb) |Gm Am  Bb C7|
|I  %|VImVm  I |IIm   (IV) |IIm IIIm  IV  V7|

♪「時はひこうき雲~」
|F %|Dm  Cm F |Gm (Bb) |Gm Am  Bb C7|
|I  %|VIm Vm I  |IIm   (IV) |IIm IIIm  IV  V7|

2つめの区切りVIm→Vm→Iの進行はよく見ますね
「柊つかさ-寝・逃・げでリセット」のサビでも同じ形で使われています。
本来ならVはメジャーのはずですが同主調のCマイナーからコードを借りてきています。
それと同時にBbメジャーでのツーファイブもどきを構成しています。Cm→F→Bb

改めて聞くと、Bbが怪しいですね。ファの音が鳴っていないようにも思います。
Gmだけで通しているように聞こえてきました。流れ的には使ってもいいと思ったのですが何回も聞いてると全く聞こえないので使ってないかもしれないです。


それはとりあえずおいておくとして、
サビ後半のソの音からドまで駆け上がるようなコード進行が気持ちを高ぶらせます。
♪「振り向く余裕もないまま~」♪「君は悲しみを見送っていた~」
なにかちょっとしたことで別れなくてはならなくなった2人の物語をひこうき雲が浮かぶ広い大空のようにイメージさせますよね。

最後のメロディーがセブンスの音になっているのももう一つのポイントではないでしょうか。
セカンダリードミナントを利用したV7→Iの進行は7度の音が半音下に解決するのでよりすっきりとした印象を与えます。


【間奏】
|Dm  DmM7/C# |Dm7/C  GM7 |Gm Am  |Bb C Am  |
|VIm VImM7/V# |VIm7/V IIM7  |IIm IIIm  |IV  V IIIm |

【Cメロ】
♪「空にひこうき雲~」
|Dm  DmM7/C# |Dm7/C  Dm6/B  |
|VIm VImM7/V# |VIm7/V VIm6/IV|

同じメロディーですがトニックであるVImを使うことで雰囲気を変え、ベースが半音づつ下がるクリシェが悲しげな印象を醸しだしています。


この完成度。やはり成瀬&野中コンビに死角なしですな…


楽曲名:AKB48 14th Single - RIVER(SideB ひこうき雲)
アーティスト:AKB48(シアターガールズ)
作詞:秋元康 作曲:成瀬英樹 編曲:野中"まさ"雄一
レーベル:キングレコード
成瀬秀樹オフィシャルサイト
http://www.hidekinaruse.com/
野中"まさ"雄一 MASA's Music Workshop
http://masamusic.net/


2011年8月8日月曜日

「歌謡曲-時代を彩った歌たち」(岩波新書1295)-高護著


歌謡曲――時代を彩った歌たち (岩波新書)


この本は日本歌謡曲の歴史を追っていくための非常にコンパクトな入門書である。

筆者自身もはじめににおいて、①その発展の歴史と特性についての時代ごとの考察、②個々の作品の基礎情報と特性についての時代ごとの考察、③それに伴う歌手、作詞家、作曲家、編曲家の役割と個々の特徴および他に与えた影響という、大きく分けて3つの要素を横断しながら、総合的に歌謡曲の全体像に迫っている。

歌謡曲という日本独自の音楽ジャンルを、「多面的かつ複層的に理解することだけではなく、今までとは違った聞き方や考察が生まれるのではないか」と筆者が述べているように、ただの「名曲」というだけではなく、理論的にはどのような工夫がなされているのか、当時の時代背景や海外からの影響といった要素を理解した上で、再度曲を聞いてみることを期待したい。

この記事では簡単に本書の内容を紹介する。詳しい内容や楽曲分析については是非原書を読んで貰いたい。

目次 
序章 戦前・戦後の歌謡曲
第一章 和製ポップスへの道-1960年代
第二章 歌謡曲黄金時代-1970年代
第三章 変貌進化する歌謡曲-1980年代
終章 90年代の萌芽-ダンス・ビート歌謡

この本の幕開けは、戦前の歌謡曲の歴史にまで遡る。「歌謡曲」という名称について、1924年に発明され、音楽のあり方を根本から変えたと言っても過言ではない電気録音方式について、そして国民的作曲家古賀政男の若き日の作品について触れられている。

本書のメインは戦後から1980年代までの約40年間の歴史である。戦後初のヒット曲である「リンゴの唄」、岡晴夫の「憧れのハワイ航路」 などの、大ヒット曲は当時のレコード会社の専属作家システムが産み出した曲たちである。



60年代は海外の曲のカバーポップスとそこから派生した独自の楽曲がブームとなる。渡辺プロダクションや、マナセプロなどのプロダクションを先頭に、メディアを駆使した洋楽志向の若者を購買層としたシーンを形成し始めた。

このカバーポップスの時代8ビートをオリジナルのメロディーとして成立させたのは、中村八大と宮川泰であり、日本語の訳詞を構築したのは、永六輔と岩谷時子である。その後若者をターゲットとした「青春歌謡」の台頭によってカバーポップスは衰退し60年代後半には加山雄三に代表される、エレキブームが到来した。


歌手自身が作曲をするようになり、編曲の役割が重要視され始め「アレンジ革命」とも呼ぶべき新たな手法を歌謡曲に導入したのもこの時期である。筒美京平ら、職業音楽家達はただの伴奏としてではなく、作品としてより立体的に鑑賞に耐えうる作品を目指したのである。

この時代の作品解説「僕は泣いちっち」「潮来笠」「ヴァケーション」「上を向いて歩こう」「恋のバカンス」「高校三年生」「君といつまでも」「君だけに愛を」「恋のハレルヤ」「ブルー・ライト・ヨコハマ」「恋の季節」「女のためいき」などを挙げている。



1970年代はニューミュージックが誕生し、そして定着した10年間である。筆者はニューミュージックの定義として、自作自演であること、そしてフォーク、ロック、ポップスなどジャンルが細分化している店において、歌謡曲と異なると定義している。71年から72年にかけては、アイドル歌謡の誕生と演歌というジャンルがよりその位置を強固にしたという。

この時代は幅の広い豊かな作品群を、阿久悠や筒美京平など職業作家による良質の作品が量産された時代であるとも言える。

テレビというメディアを駆使して、レコード産業は確実にそのマーケットを拡大していった。72年には森昌子の「せんせい」、73年には桜田淳子、山口百恵がデビューする。アイドル・ポップス、演歌、フォーク/ロックという3つのジャンルにヒットが生まれ、ほぼ同時期に各分野のシーンが形成される事になった。

72年の郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎など女性ファンを掴む男性アイドルもブームになり、「文芸長ではなくもっと具体的に自分に向けて歌いかけられることが、もはや当然の風潮」となった時代でもあると述べている。



筆者は同じく72年にデビューした麻丘めぐみの「女の子なんだもん」を例に挙げ、聞き手を「個」として捉え、ひたすら「聞き手=あなた」を対象に歌うという点において、従来の個をテーマにした作詞法とは完全に逆転の発想であることを指摘している。

フォークと総称されたジャンルでは、よしだたくろうの「結婚しようよ」、井上陽水の「傘が無い」がヒットし、チューリップやキャロルといったロックバンドもデビューした時代でもある。

77年からはピンクレディーが「S.O.S」から「カメレオン・アーミー」まで9作連続No1を獲得しブームを起こした。山口百恵は「青い果実」にはじまるセクシャル路線から、映画、テレビドラマなどメディアを駆使してその位置を確立した。


ズー・ニー・ヴー「また逢う日まで」、和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」、小柳ルミ子「わたしの城下町」、南沙織「17歳」、郷ひろみ「男の子女の子」、西城秀樹「ちぎれた愛」、山本リンダ「どうにもとまらない」、キャンディーズ「春一番」、ピンクレディー「ペッパー警部」、山口百恵「横須賀ストーリー」。沢田研二「勝手にしやがれ」、などの楽曲解説は読み応えがある。



1980年代で特徴的なのは、「アメリカンフィーリング」などのヒット曲で用いられている、サビの英語詩の譜割りである。ジュディーオング「魅せられて」にも同じ部分があり、カタカナ英語ではない英語詩で、英語の譜割りとして歌詞が作られていることを、筆者は「歌詞そのものが時代の要請で変わっていくひとつの大きな分水嶺でもあった」と述べている。

戦後夢に見た豊かさは現実のものとなり、メロディーやコードといった快適な「サウンド」を重視するシティーポップスが生まれたのもこの時代である。そこでは言葉の響きやリズムが物語と同じ意味それ以上に歌詞に求められていたし、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック=大人向けロック)やフュージョン、ブラック・コンテンポラリーなどの洋楽的な聞き心地が人気となった。ここにはテンションコードや16ビートなどの特徴が見て取れる。

本格的な英語ボーカルに変容していったのは、これらのビートとメロディーの関係における譜割りと歌唱が必要とされていたことと、16ビートを伴なうテンションコードの響きと言葉の関係をより豊かに表現するためであると考えられる。筆者は90年代以降の「J-POP」というジャンルに、このシティーポップスとその技法を導入した歌謡曲と見て取ることができると述べている。



80年代は松田聖子の時代でもあるが、同世代の女子中高生から大きく支持された点において、それ以前、それ以降の「アイドル・ポップ・シンガー」とは異なるアイドルである。作詞家松本隆の存在も注目すべきである。85年にはおニャン子クラブがデビューし、秋元康が作詞家として大躍進した。

77年のSEX PISTOLSの登場を機に、日本にもパンクブームが沸き起こり、ロック志向の若者たちは一気にパンクへと向かい次々とバンドが結成された。同時代のテクノ・ニューウェーブやハードロック。ヘヴィメタルは80年代なかばに大きな潮流を形成した。86年のBOOWYのブレイクはその象徴であり、80年代後半から90年代のバンドブームのさきがけとなったと言える。



この時代の代表曲解説には、寺尾聰「ルビーの指輪」、稲垣潤一「ドラマティック・レイン」、杏里「悲しみがとまらない」、八代亜紀「舟歌」、テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」、松田聖子「夏の扉」「赤いスイートピー」「渚のバルコニー」、田原俊彦「ハッとして!Good」、近藤真彦「スニーカーぶる~す」、中森明菜「少女A」「十戒」、小泉今日子「なんてったってアイドル」などである。



終章「90年代の萌芽」としてコンピュータ音楽の発展、ユーロビートブーム、小室哲哉の登場などが簡単に触れられて入るものの、本書のメインは戦後から80年代までであるため、多くのページは割かれていないので、90年代以降の続編も期待したい。

2011年7月30日土曜日

AKB48 22ndシングル(Type-B収録)-アイスの口づけ

最近知ったのですがローマ数字が機種依存文字らしいので次回からアルファベット表記にします。
フライングゲットの発売が待ち遠しくもあり、今回のCDの売り上げがどれほどになるのかが気になったり気にならなかったりする次第であります。

昨年末からブームに火がついたAKB48ですが、流石に今が山頂かもしれません。今回のシングルも「Everyday、カチューシャ」より枚数は落ちると予想されていますが、今後もAKBが存続するのであれば、いかにしてファンの皆さんの興味を引いていくのか気になりますね。


【Bメジャー】Aメロ~Bメロ
|B|C#m|D#m|E |F#|G#m|A#dim|
|I |IIm  |IIIm |IV |V |VI   |VIIdim|


[前奏]
|B |G#m |E |C#7/F  |F# |F#sus4 |F#|
|I  |VIm  |IV |II7/V♭|V  |Vsus4   |V |


[Aメロ]
「ジリジリと日に焼いた~」※おそらくCD版は2回繰り返し
|B |G#m |C#m |F# |D#m |G#m |C#m C# |F#|
|I  | Vim  |IIm   |V  |IIIm  |Vim   |IIm   II   |V |


[Bメロ]
「僕は「どうして」と~」
|E |Em |D#m |Cdim7    |C#m |C# |F# |
|IV|IVm|IIIm  |II♭dim7  |IIm   |II   |V  |


[サビ]C#メジャーに転調
「アイスのときめき~」
|C# |C#M7/C |C#7/B  |A#7|
|I    | IM7/VII  | I7/VI♭|VI7|

「さっきよりも」
|D#m |D#mM7/D  |D#m7/C# |G#7/C|
|IIm   |IImM7/II♭ |IIm7/I      |V7/VII |

「アイスのときめき~」
|C# |C#M7/C |C#7/B  |A#7|
|I    | IM7/VII  | I7/VI♭|VI7|

「一人で部屋を~」
|Fm  |F  |A#m |D#7 |F# |G# |D# |
|IVm |IV |VIm  |II7   |IV  |V  |I   |


まず先に申し上げておきます。「サビのコード進行はBOOWYの例の曲と同じではないか」という議論が盛んになされているようですがその通りです。同じコード進行という点において、それ以上私から申し上げることはないでしょう。ですからここでは、この類似点を指摘されたポイントに使われている「クリシェ」について私なりに思ったことなどを書いていこうと思います。

Yahoo!知恵袋で同様の質問について解答がなされていたので、回答者の方の例に挙げてくださっていた楽曲のコード進行などを挙げて少し説明してみましょう。クリシェの参考例として挙げられていた「THE YELLOW MONKEY-追憶のマーメイド」、「Mr.Children-OVER」のコード進行と比較してみます。

BOOWY-CLOUDY HEART
[サビ]【Aメジャー】
|A    |AM7/G# |A7/G     |F#7|Bm |BmM7/B♭|Bm7/G    |E7/G#|
|I     |IM7/VII   |I7/VI♭  |VI7 |IIm |IImM7/II♭ |IIm7/VII♭|V7/VII|

THE YELLOW MONKEY-追憶のマーメイド
[サビ]【Aメジャー】
|A |AM7onG# |Em/G     |F# |Bm |G              |              |E|
|I  | IM7/VII   |Vm/VII♭|VI  |IIm  |VII♭         |              |V|

Mr.Children-OVER
[サビ]【B♭メジャー】
|B♭|B♭M7/A |B♭7/G |G7 |Cm |CmM7/B  |Cm7/B♭ |F7/A  |
|I     |IM7/VII   |I7/VI♭  |VI7|IIm |IImM7/II♭|IIm7/VII♭|V7/VII|

AKB48-アイスの口づけ
[サビ]【C#メジャー】
|C# |C#M7/C |C#7/B  |A#7 |D#m|D#mM7/D  |D#m7/C# |G#7/C|
|I    | IM7/VII  | I7/VI♭|VI7 |IIm  |IImM7/II♭  |IIm7/I      |V7/VII |



あたりまえですが、ベース音が半音づつ下がるクリシェにおいて使えるコード進行というのはほぼ同じです。そもそもクリシェという手法は、強調したいメロディーの反復に変化を付けるために使われるという効果を持っていると私は考えています。つまり、使えるメロディーも同じように限られてくるのです。




例えばイエモンの追憶のマーメイドでは
ド#シラド# ド#レミド# ミミファ#ミレド ド#シラ#」
という薄い緑で印をつけた部分は「ド#」の音を中心に強く反復を意識させます。

同じようにMr.ChildrenのOVERでは
レミ♭ファ レミ♭ファ レミ♭ファソソ#ーレミ♭ ドレミ♭ ドレミ♭ ドレミ♭フォミ♭レシ♭ド
同じように「ミ♭」を中心として同じようなメロディーを構成しています。

ではAKB48のアイスの口づけを見てみます。
ファファファ#ーファ ファファファ#ーファ ファファファ#ーファファ#ソ#ファ#ファ・・・」
すいませんが書いていて見難くてしょうがないのでやめます。簡単に書くと見て分かる通り、2つの音を中心にメロディーを組み立てています。後半は「ファ#とソ」を中心に同じような形を成しています。


BOOWYのCLOUDY HEARTも同じようにAメジャーの第3音である「ド#」を中心にメロディーを作っていますが、よく聞くとAKB48のアイスの口づけよりも前後に多くの音を使っています。アイスの口づけがたった2つの音を強調していたのに比べると、より凝っているとも言えるかもしれません。(曲の善し悪しではありません。あくまでも音のバリエーション的にです。)


この3つの曲に共通するのは「曲のキーとなる音の3番目の音を中心にメロディーが組み立てられているということ」です。ですが、別にキーの3番目の音を中心にメロディーを作らないと使えないわけではないわけです。コード感を維持しながら簡単に作るのであれば、Cメジャーで始めるとすれば少なくとも「ドミソ」のどれかの音を中心に組み立てれば良いわけですから。トニックの真ん中にある音を中心にメロディーを作るのは何か理由があるのではないかと考えることができます。

作ってみると分かりますが、このコードに合わせられるメロディーは本当に限られていますよね。それはともかく、ベース音(根音)からメロディー作り始めると…なかなかよさげなのができますね…ただありふれた感じになるかもしれません。

コードの一番上の音(第5音)を中心にメロディーを考えてみましょう。ただ、ここで気を付けたいのは、歌う人のことです。AKBの場合は最低音がmid2B辺り、最高音がhiCあたりにあるので、C#の第5音にあたるソ#から上への展開にあまり無理ができません。消去法的に第3音を中心に作ると、歌う方も入りやすく、根音から入るよりもインパクトがあるメロディーが作れると考えたのではないかと私は考えています。

しかしリズムからしてBOOWYを彷彿とさせるので、純粋に作曲者がBOOWYファンであった可能性は否定できませんがw



先ほど挙げたイエモンのこの進行、「あれっ?」っとお気づきの方いると思いますがこれ実は…

|A |AM7onG# |Em/G     |F# |Bm |G     |E7 |E7|
|I  | IM7/VII   |Vm/VII♭|VI  |IIm  |VII♭|V7 |V7|

よく見ると3つ目のコードから他の曲とは微妙に違うんですwついついVII♭が気になってしまうので注目してしまうのですが、VIIdimの代わりにサブドミナント・マイナーであるVII♭を使ったというのはこじつけに感じますよね。ロックな使い方といえばそうなのですがw


これは下属調でもあるDメジャーが進行していると見たほうが良いかもしれません。試しにF#mを入れてみると…

|A |AM7onG# |Em6/G     |(F#m) F# |Bm |G     |E7 |E7|
|I  | IM7/VII   |Vm6/VII♭|(VIm)  VI  |IIm  |VII♭|V7 |V7|

なにやら複雑化してきたみたいですが、前半はさんざん語ってきた例の形のクリシェをAメジャーで構成しているように見えます。しかし、同時にDメジャーのコード進行にも見えてきます。特に後半F#からは思いっきりDメジャーから引っ張ってきています。VII♭のところで「おやっ?」と思った方は、そこが完全に転調しているように聞こえたからであって、無理もありません。AメジャーならG#dimコードが入ってきますので全く違う感じになるでしょうから。こういう使い方は面白いですね。Dメジャーで3645を作っています。転調の方法でわかりやすい解説ページを見つけたので参照してください。


作曲カウンセリング 転調~その3~ :作曲の方法・理論
http://sakkyoku.info/?p=502


ただ私が使ったら「イエモンのパクリ」って言われるでしょうねw

リズムとコードが同じだったとしてもメロディーに多少なりとも変化をつければ曲は変わりますが、今回はあまりに反復による強調を意識しすぎたことと、歌手の音域などの制約によってこうならざるを得なかったのでしょう。その分耳残りの良い曲を生み出すことが出来たという狙いは達成されていると思いますけど。



楽曲名:AKB48 22ndシングル(Type-B収録)-アイスの口づけ
アーティスト:AKB48
作詞:秋元康 作曲:矢吹香那 編曲:増田武史
レーベル:キングレコード
増田武史・矢吹香那 スマイルカンパニー(作曲家・編曲家)
http://www.smile-co.jp/list/composer_arranger.pdf

2011年7月26日火曜日

AKB48 アンダーガールズ 22ndシングル-抱きしめちゃいけない

未確定情報ですがどうやらHISのCMに使われている曲が22ndシングル「フライングゲット」のカップリングとしてアンダーガールズが歌う「抱きしめちゃいけない」という曲だそうです。

さっそく耳コピしてコードをとってみましたので皆さんガシガシ演奏してくださいね。(別に作曲者でも何でもありませんが)音源はラジオで一回フルで流れたものを参考にしています。Googleで検索すると出てきたりでてこなかったr・・・ごにょごにょ



【Dメジャー】
|D | Em  | F#m | G | A | Bm | C#m-5 |
|Ⅰ|Ⅱm | Ⅲm | Ⅳ |Ⅴ| Ⅵm| Ⅶm-5 |

【曲の構成】
[前奏]→[Aメロ]→[Bメロ]→[サビ]→[前奏]
[Aメロ]→[Bメロ]→[サビ]→[間奏]→[サビ]


[前奏]
♪ちゃらちゃーらちゃー
|D |F#|G |A |Dsus4 |D  |
|Ⅰ|Ⅲ|Ⅳ|Ⅴ|Ⅰsus4|Ⅰ|

[Aメロ]
「川沿いの~」
|D |A |G  |%|D |%  AonC# | |Bm |F#m  |Em7/G |% |Asus4 |A |
|Ⅰ|Ⅴ|Ⅳ |%|Ⅰ|% Ⅴ        | |Ⅵm|Ⅲ#m|Ⅱm     |% |Ⅴsus4|Ⅴ|

「鉄橋が~」
|D |A  |G |%|D |%  AonC#| |Bm |F#m |Em7/G  |A  |D |
|Ⅰ|Ⅴ|Ⅳ |%|Ⅰ|% Ⅴ      | |Ⅵm|Ⅲ#m|Ⅱm      |Ⅴ|Ⅰ|




[Aメロ]の後半部分は歌謡曲っぽさが色濃く残ってますね。「沈む夕日惜しむように~」 こぶしを利かして歌えば「それなんて演歌?」と聞かざるをえないでしょう。ここら辺に、秋元康のおっさん臭さじゃなくて作詞センスの良さだと私は思います。


[Bメロ]
「夢を語る~」
|G |A7onG|F#m7 |Bm |
|Ⅳ|Ⅴ7    |Ⅲ#m7|Ⅵm|


[Bメロ]の焦らし感もたまらないですね。ベースでちょいペダル(ペダルポイント)を踏んでます。
これはどういう時に使うといえば良いのでしょうか。
焦らし感と言いましたが、言葉にすると難しいですね。
クラシックで言うならショパンの「ノクターン変ホ長調作品9の2」で出てきます。
今回の場合は、2小節のみに使われているのでインパクト重視という感じだと思います。


「いつもの~」
|G |Gm |A |% |Asus4 |A  |Asus4 |A |
|Ⅳ|Ⅳm|Ⅴ|% |Ⅴsus4|Ⅴ|Ⅴsus4|A |

最初は「パッと」明るいサブドミナントを見せておいて、次はサブドミナントマイナーでしょんぼりさせて、「ガツンと」ドミナントを出してきます。そのあとに焦らすわ焦らすわ!4小節も使ってサスペーーーーーンデッドした後は・・・


会いたかったー会いたかったー会いたかったYES!!!!!!
待望のトニックちゃんがやってきて皆感涙ものです!!!



[サビ]
「抱きしめちゃ~」
| D |% | F#/C# | %| Bm |% | DonF# |
|Ⅰ |% | Ⅲ    |% | Ⅵm|% |ⅠonF# |

「そんな風に冗談~」
| G | A | F#  | Bm |E7 |%  |Asus4/E|AonC#|
|Ⅳ |Ⅴ | Ⅲ  |Ⅵm |Ⅱ7|% |Ⅴsus4  |Ⅴ      |

「抱きしめちゃ~」
| D |% | F#/C# | %| Bm |% | DonA |
|Ⅰ |% | Ⅲ    |% | Ⅵm|% |ⅠonA |

「靴の紐を~」
|G |Gm |D   AonC|Bm |Em7  |A  |Dsus4 |D |
|Ⅳ|Ⅳm|Ⅰ  Ⅴ    |Ⅵm|Ⅱm7|Ⅴ|Ⅰsus4|Ⅰ|



その後のサビ後半もいいですね。
3番目のコードを、泣きのセカンダリードミナント(亀田誠治氏の「若者たち進行」)にして、ひと泣きした後、もう一回E7の場所でもうひと泣き行ってしまった方も多いことでしょう。このⅡを使う技を(ここではⅡ7)専門用語で「ドッペルドミナント」と言います。「ドッペルドミナントとはなんぞや?」こういうときは困ったときのWikipedia頼みです。(詳細は記事下部へ)



[間奏]※sus4からすぐ間奏に入ります(Fメジャーに転調)           ♪「抱き~」
|Dsus4 |F/C|B♭ |% |Gm |Am |B♭ |Bdim  |Csus4  C       |Gsus4/C C|Asus4 |A  |
|Ⅰsus4|Ⅲ  |Ⅵ♭|% |Ⅳm|Ⅴm|Ⅵ♭|Ⅵdim|Ⅶ♭sus4Ⅶ♭|Ⅳsus4   Ⅳ|Ⅴsus4|Ⅴ|



1361(数字の羅列は基本的にコードの下に書いてある度数を表します)という進行に名称はあるのか分かりませんが結構使われる進行だと思います。2番目のコードをⅢmではなく、ノンダイアトニックのⅢにしている技(セカンダリードミナント)も良く見かけます。

ここで超音楽初心者の方に(そうでない方はつまらないのでパスしてください)注目してもらいたいのは、

| Bm | Dadd9 D |
| Ⅵm|Ⅰadd9 |

の部分です。真ん中のテンションコードを無視してBmからDという進行を見てみましょう。これは和声学において「禁則」と言われるルールに当てはまります。といいますのも、Ⅵはトニックの仲間であり、次に来るⅠは真性のトニックであり、解決感が損なわれる感じがして、不快な進行なので禁じ手ということにどこかの誰かさんが決めたそうです。しかしポップスにおいてはこのように使われることもしばしばありますというよりよくあるように思います。詳しくは楽典(紹介している芥川也寸志著「音楽の基礎」には載ってません!)または以下のサイトを参考にしてください。

和声における禁則-Music access
http://www.mmjp.or.jp/music-access/contents/wasei/jyoshou03/kinsoku.htm

循環コード -ポップス・ロック作曲のための実践音楽理論/ヒット曲分析
http://www.geocities.jp/otowaza/k_code/theory.html

今回の場合、個人的な解釈ですが、その不快な進行の衝撃を和らげるためにテンションコードを間に挟んでいるのだと思います。具体的にはⅤ(ここではA)構成音を入れて解決させているように感じました。(CDをゲットしたら聞き直したいと思います)


と以前書きましたがコードが違いますね。カノン進行の変形と見るべきなのでしょうか。けどそんなことを言っていたら何でもカノンになってしまうのでw普通に1361と解釈していいと思います。



ドッペルドミナント 
ドッペルとはドイツ語で“二重”を意味し(英語のダブル)、ドミナントのドミナントである。 V の V であって(ソラシドレ)、音階の ii 度音を根音とする長三和音、または属七、属九の和音であり、 II の第三音(ハ長調ならファの音)を半音あげたものである。このことから、ドミナントに移行する II の和音をドミナントへのドミナントと考えることもできる。同様に、ドミナントに移行する IV を II の代理和音とする理論書もある。一般にはドッペルドミナントの機能とサブドミナントとは同一視される。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E5%A3%B0




うん。分かりませんね。



少なくとも私のブログに来てくださる方は、分からないことを望んでいます。(嘘を教えていることがバレるので)。ちなみにWikipediaに補足すると、このコードの後は「主調のドミナント(Ⅴ)」に繋がっていきます。sus4ついてるけど基本ちゃんとそうなってるでしょ?

その効果を簡単に説明しますと、「ぐいっ(がんばるぞ)」「ほっと(安心)」という感じでしょうか。もう一回サビの部分を聞きなおしてみてください。ここで、「急に前向きな雰囲気」が生まれていると思います。「ここや!」という部分で使うとこのように感動しちゃうのです。まんまと作曲者・編曲者の策略にハマってしまった感がありますね。


あと、気になったのは、間奏も後奏も、全て最初の前奏をそのまま使ってるんですよね。なんというか…ただの素人の身分であれなんですが、最後くらい少しくらいアレンジしても良いのかなって思ったりしないでもないかったr…


深夜のテンションで全体的に調子に乗った感はあります。不快に思われた方ごめんなさい。しかしながら、この曲、と聞いていてとても元気が出ますよね。個人的にはA面より好きです。このコッテリ感がたまらなく好きです。次は「アイスのくちづけ」のコード取りを頑張りたいと思います。




AKB48 - フライングゲット(通常盤)
アーティスト名:AKB48
作詞:秋元康 作曲:高木洋 編曲:増田武史(2011/07/28追記)
レーベル:You, Be Cool!/KING RECORDS
hiroshitakakiofficialwebsite(高木洋公式ホームページ)
http://hiroshitakaki.com/
増田武史 スマイルカンパニー(作曲家・編曲家一覧)
http://www.smile-co.jp/list/composer_arranger.pdf

2011年7月21日木曜日

AKB48 TeamK 6th Stage「RESET」- 彼女になれますか

「彼女になれますか?」
「もちろんですとも!是非なってください(._.)」


公演曲にもかかわらず板野友美ちゃんことともちんが出演しているイトーヨーカドーのBODY HEATERのCMソングにもなっていた曲です。公演曲でCMのタイアップになるというのは珍しいですね。ともちんがウィスパーボイスで「いってみヨーカドー」と言うこのCMは、アンプを通してヘッドホンで聞くのが通の楽しみ方です。

今年のCMもいいですよ。イトーヨーカドーのBODY COOLERという製品CMです。今(2011年7月21日現在)のCMソングは板野友美ソロのTUNNELという曲です。ちらっと映る髪型がストレートのともちんもカワイイんですよね。ちなみにイトーヨーカドーのホームページで現在も見ることが出来ますので是非チェックしてみてください。

イトーヨーカドーのテレビCM Gallery
http://www.itoyokado.co.jp/special/cm_gallery/index.html

ということで今回はともちんも歌っているTeamK 6th Stage「RESET」公演より『彼女になれますか』のコード進行を採ってみました。


【Aメロ、Bメロ】(Dメジャー)
|D7|Em7 | F#m7| G7| A7 |Bm7 |C#m7-5|
|I   |IIm7 |III#m7 |IV7|V7  |VIm7|VIIm7-5|

【サビ】(Fメジャー)
|F7 |Gm7| Am7 |B#7 |C7 |Dm7 |Em7-5|
|I7  |IIm7 |IIIm7 |IV#7|V7  |VIm7|VIIm7-5|



[前奏](ピアノバッキングDonAの部分)
|D |A | G |Bm7 |G  A |
|I  |V |IV  |VIm7|IV  V|

|D |A |G |A  |       |D |A |G A |D F#|
|I  |V |IV |V |        |I  |V |IV V |I III |


[Aメロ](Dメジャー)
「まさかこんな日が来る~」
|Bm7 | GM7 | A7  |D  |
|VIm7| IVM7 | V7  |I   |

「憧れてた先輩~」
|C#dim7  A7 |Bm7   Bm6/G#  |Gdim7 |F#7  |
|VII#dim7 V7|VIm7  VIm6/IV# |IVdim7 |III#7 |

この進行はなんと表現したら良いのでしょうか。。。
特に理論も何も知らない方でも、この部分だけなんか浮いていると思いませんでしたか?
おそらくそう感じざるを得ないかなりマニアックな進行な気がします。同じ進行を使っている曲が思い浮かびません。
とくに3つ目の区切りで使われている、歌詞で言うと♪ふいに『声を掛けられ』た」の部分に当たるGdim7がそこだけ聞くと薄気味悪い居心地の悪さを感じます。

素直にここのメロディーに歌詞を付けるならこんなにポジティブな台詞は言わないでしょう。
しかしAメロの明るい展開からかなり急にこのようなメロディーを持ってきていることを考えると、ここは単純に暗い意味を持っているのではなく、一般的なBメロ的役割「心の葛藤」の表現のニュアンスを含んだポジティブなフレーズであるとも言えるかもしれません。


「私の名前~」
|Bm7 | GM7 | A7  |D  |
|VIm7| IVM7| V7   |I   |

「バスケットの~」
|C#dim7  A7 |Bm7   Bm6/G#  |G   A7  |D |
|VII#dim7 V7 |VIm7 VIm6/IV# |IV   V    |I |


[Bメロ]
「周りの友達~」                          私は~
|Gdim7 |F#7 |Bm |%    |Em7 |F#m7 |G  G#dim |A7  |G/B  F/A ・ ・ |
|IVdim7|III#7 |VIm|%    |IIm7 |III#m7 |IV  IV#dim |V7  |IV    III♭ ・ ・ |

転調の方法には色々ありますが、今回はGをピボットコードにしていると見るのはこじつけでしょうか。
FメジャーのGmとDメジャーのGが比較的似ているので、そこからFへアプローチしたように感じます。
私ならG→G#dim→A7→C7→Fとドミナントモーションを利用した転調を考えますが、場面を連続させて自然な転調が可能になる反面で、劇的な転調によるイメージチェンジの効果が半減されてしまうとも考えられます。
最近の楽曲は転調を多用し、その劇的な場面の変化をその楽曲の特徴とする傾向があります。
そのような時代の流れから見れば、あえて理論に囚われずガラっとサビの転調を強調するこのような方法もありなのかもしれません。

[サビ](Fメジャー)
「あなたの~」
|F7 |Am/E |Dm7 |Cm7 F/C|
|I7  |IIIm7  |VIm7 |Vm7  I     |

「ずうずうしい~」    これから~
|B#7 |Am7/E Dm |Gm7 |C7 |
|IV#7|IIIm7    VIm  |IIm7 |V7 |

赤で背景色をつけた部分はいわゆる四度進行でとても力強い安定感があります。
加えて後半♪「これから~」の部分のツーファイブに繋げることによってかなーり「強い意志」を表現しています。
曲先で作られたことを考えますと、まさに秋元康氏の書いた歌詞のように、

「図々しい質問かもしれないですが、正直な気持ちを伝えてほしい」


という女の子の気持ちが、曲と合わさって表現されています。これはかなりインパクトがありますね。


「あなたの~」
|F7 |Am/E |Dm7 |Cm7 F/C|
|I7  |IIIm7  |VIm7 |Vm7  I    |

「夢見がちな~」       だめなら~
|B#7 |Am7/E Dm |Gm7 |C7 |
|IV#7|IIIm7     VIm |IIm7 |V7 |


「だめと~」
|B#  |Am  |G7    C7/G |F |
|IV# |IIIm  |II7   V7     |I  |

最後もしっかりとツーファイブワンで締めています。
先程から何回も「ツーファイブ」と連呼していますが何度言っても足りないくらい重要な進行ですので、いくら言っても強調しすぎることはないと思っています。
「あーまたこれか」と思って頂ければ良いと思います。


締めのお茶漬けみたいなものですかね。


楽曲名:AKB48 TeamK 6th Stage「RESET」- 彼女になれますか
アーティスト:AKB48 TeamK
作詞:秋元康 作曲,編曲:野中"まさ"雄一
レーベル:AKS

I don't have time to be in love - プリシラ・アーン

I don't have time to be in love 恋する時 Kissing you on the cheek, 200 times a week 1週間に200回はキスをする I don't have time to be in love ...