まず、闇雲に芸大和声を読むことはお勧めしません。なぜなら知識ばっかりになり実用上あまり役に立たないからです。この本は芸大生、受験生向けに書かれた本であって、DTMerには全くといっていいほど役に立たないと思います。
最低限の知識は以下の3冊で叩き込みましょう。楽曲分析に関しては『音楽の基礎』一冊で殆どの場合十分事足ります。音の素早いイメージ化と作業効率向上のためには鍵盤力が必要なので、『実用和声学』と『実践コードワーク』でおおよそのボイジングをマスターします。
芥川也寸志著の『音楽の基礎』は初心者には読みにくい楽典を買うよりコンパクトに、しかし丁寧に楽典の内容を学ぶことが出来るのでおすすめです。
中田喜直著の『実用和声学』はキーボディストであれば必ず必要になる基本的なボイジングが学べます。他のキーボードの教科書を買うよりものちのち和声学を学ぶ際に応用が効くようになり、かなり効果的なトレーニングをすることができるのでおすすめです。
最後の篠田元一著『実践コードワーク(1)』はシリーズ化されており、なかなかマニアックな内容が詰まっているのですが、残念ながら絶版です。
音楽の基礎 (岩波新書) [新書]
実用和声学―旋律に美しい和音をつけるために
新 実践コード・ワーク〈1〉ボイシングとプログレッション
しかし、上の三冊は古い本ですし、かなりキッチリとした基礎養成には向いていると思いますが、「あまり音楽は知らないけど少し作曲をしてみたい」という方もいらっしゃるかと思います。そのような方には以下の本をおすすめします。どちらの本も基本的な和声、旋律、楽典の内容が含まれているので、ひと通り学ぶことが出来ます。ただ、注意しておきたいのは読んだだけでは曲は出来ないということです。
よくわかる作曲の教科書
思いどおりに作曲ができる本 Q&A方式で音楽制作の実践テクニックをピンポイント解説!(CD2枚付き)
最後にこれまで挙げた本が全て理解できるという人向け(吹奏楽オケ出身者やピアノ・ソナチネレベル、少なくとも楽譜が読めることと簡単なコード理論が分かる方以上)、に、新刊でいい教材が出ていますのでお勧めします。
藤巻 浩
ヤマハミュージックメディア
売り上げランキング: 2625
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売り上げランキング: 3364
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この2冊は本当にいい教材だと思います。まずなんといっても一線で活躍されている方の作曲技をほぼ手に入れることができます。特に優れているのはDVD教材が付いていて、「コード作曲法」は218分、「コード編曲法」はなんと475分もののレクチャー番組がついてきます。
その他にも音源素材やPDFの楽譜、シンセサイザーの設定をキャプチャーした画像、実際の編集画面が見れる動画などおまけが沢山ついてきます。「ひと通り色んな本は読んだけど曲を作るとなるとなかなか手が動かないんだよね」という方も番組を聴いているだけでイメージが膨らむと思います。
マンネリズムに陥っている中級者から上級者にもってこいの本であると思います。
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